今年10月からの消費税増税に向け、消費が留まらないようにキャッシュレス化と政府からのポイント還元をする準備として決済事業者100社からの申請を受けたと発表がありました。
決済事業者の役割とは
VISAやマスターなどのクレジットカード会社や、PayPayなどのスマホ決済決済事業者、SuicaなどICカード発行の事業者などが、消費税増税によるポイント還元を各店舗などへ付与する中間事業者としての申請を受けたと会見がありましたが、この決済事業者としての役割はどのようなものでしょうか。
まず、政府として中小の事業者へ還元する手段として、現行でポイント還元などを実施しているキャッシュレスの事業者を経由させることで、簡易的に既存の仕組みで中小企業へ還元出来ると考え、今回100社を超す決済事業者から申請を受けたわけです。
その決済事業者は今後、中小企業から申請を受けて政府から付与されるポイントがその店で対象か判別するわけです。消費者へは政府から決済事業者に渡り消費者へ還元される仕組みになると思われます。
還元で期待される効果は
キャッシュレスのみが対象で現金で支払いを受けるとポイントが一切還元されません。そのため、中小企業は必ず今回申請をされた決済事業者のサービスを使う必要があります。
政府としてはキャッシュレスを現金しか取り扱ってなかった中小の店舗がキャッシュレスのサービスを取り入れることで、現金による年間6兆円負担している費用を多少軽減する狙いもあります。
もちろん中小店舗側には、消費者側へキャッシュバックされることで価格が安くなると勧誘効果もありますので、売り上げアップの効果が期待できることになります。
ポイント還元によるキャッシュレス化の問題点は
キャッシュレス化を勧めて、ポイント還元などで周知を図っていますが、問題点はないのでしょうか。
海外でも政府主導でキャッシュレスを勧めていて、諸外国としては問題点よりもメリットのほうが断然多いとは思われますが、日本では少し事情が異なるため、このままポイント還元の手法で推し進める方法でいいのかと言われれば少し疑問もあります。
実際に、日本では現金が主流となっており、銀行などの収益はほぼATMなどで支えられており、現金での支払いで拒否されることはありえないほどに信用のある仕組みとなっており、今後も現金がメインの支払い方法となっていくことは間違いないでしょう。
いまはポイント還元があるため、ポイント還元が無くなったときに、キャッシュレスとしてQRコード決済などが普及するかどうかは消費者の意識と店舗の導入状況によると思われます。
日本全土でキャッシュレス化するためにはいくつもの高いハードルを越さなくていけないので決済事業者には持久戦となってしまう可能性もありますが、しばらく頑張って欲しいものです。
政府はキャッシュレス化を勧めるなら先に法整備を
国が主導してキャッシュレス化を勧めるにあたるということで、プレミアムフライデーの失敗などが思い出されますが、やはり今回も民間が率先してキャッシュレスのキャンペーンを行い、広めている最中に横槍で邪魔をするイメージが付きまとってしまいます。
国としては民間への後押しは必要だとは思いますが、民間がキャッシュレス化をしやすいような法整備がまずは必要だと思われます。例えば、現金でしか支払えないような健康保険支払いの病院など、現金でしか支払えないのにキャッシュレスをしろというのは無理な話ですので、民間の援助より先にやるべきことをやる必要があるとは思われます。